FlexVision(フレックスビジョン)は、独自の検査アルゴリズムを搭載した高速高精度な画像検査ソフトウエアです。

FlexVisionの概要

過検出の要因となる諸問題を克服

FlexVision(フレックスビジョン)は、シリウスビジョンの画像検査機で共通して使用されている、独自の検査アルゴリズムを搭載したソフトウエアです。 FlexVisionの「目」が人の目と同じように「許容範囲の印刷バラつきや、太りや細り、ずれ、伸び縮み、歪みは欠陥として検出せず、良品として選別」します。「人の目視と同じように検査しながら、人と異なり24時間安定して同じ基準でミスなく検査する」、この画期的な新技術をぜひ体感ください。

文字の太り細りは、温度、湿度、溶液の割合、版の状態や印刷時の機械の特性など、様々な要因によって発生します。シリウスビジョン独自の画像処理技術「輪郭ファジー処理」によって、太り細りによる過検出を極限まで抑制し、欠陥のみを検出することができます。

印刷の伸び縮み、歪み、ずれなどのばらつき問題は、印刷時だけでなく印刷物の搬送・撮像時にも起こります。シリウスビジョン独自の画像処理技術「伸縮補正処理」、「輪郭ファジー処理」および「ずれ許容処理」は、検査対象を撮像した画像から得られる印字や絵柄の輪郭形状と位置情報を精確に捉え、高精度の位置決めと輪郭ばらつき分析および位置ずれ・見当ずれ補正処理を行います。こうして、過検出となるばらつき成分を抑え、検出すべき欠陥部分のみを検出することができます。

固定印字の品質検査と同時に、可変印字の読取・照合と品質検査を行うことができます。文字認識(OCR)やバーコード・2次元コードの読取・照合はもちろん、可変印字に対しても、傷や抜け、欠け、かすれ、にじみ、ピンホール、異物などの欠陥を検出することが可能です。


各種印刷検査から電子基板や成形品検査まで

検版システム

シールラベル検査

カード検査

容器検査

成形品外観検査

電子基板外観検査

印刷品質検査市場で培われたシリウスビジョン独自の基幹技術は、液晶パネルやフィルム基板(TAB・COFやFPC)をはじめとする各種電子基板のパターン検査や外観検査市場、さらには3次元形状を持つ成形品の印刷・外観品質検査市場でも高く評価され、適用範囲の拡大が続いています。印刷品質検査市場から電子基板・成形品外観品質検査新市場へ、シリウスビジョンは、各種業界における製品品質向上に貢献するために、独自の新技術の研究開発を続けてまいります。


長年の印刷機のノウハウを検査に導入

生産工程に検査を取り入れていくためには、過検出の無い安定した検査技術に加え、運用方法などのノウハウが不可欠です。シリウスビジョンは特殊印刷機メーカーであるナビタスでの長年の印刷機製造経験から、印刷時に発生する様々な課題を把握しています。お使いの印刷機の特性(擦れの発生、文字が潰れ気味になる、版ずれ、抜きずれなど)を考慮した上で高精度に検査し、多くのお客様の歩留まり向上に貢献しています。

輪郭の差異を吸収しかつ輪郭部の欠陥だけを検出

検出の難しい微細な傷や打痕検出のための独自フィルタを用意

見逃しやすい文字つぶれも検出可能

印刷文字のずれや曲りの高精度計測

独自開発した高速で正確な位置決めと伸縮補正技術

目視検査では困難な微細欠陥も高速検出できます。50μm以下の欠陥を安定して検出可能です。ファインピッチパターン基板検査で必要となる、数μm~数十μmの欠陥も検出します。

RIP後PDFデータ(またはTIFF画像)との比較にも輪郭ファジー処理が適用できます。データと実際の印刷物では文字の太さやエッジ部が大きく異なりますが、これを検出せずに輪郭が大きく異なっている部分のみを抽出します。

どのような欠陥が発生したのか、検査時に自動保存した画像で確認できます。NG画像は、検査後再度読み込んでオフラインで検査テストし、検査条件値を適切なものに設定変更する場合にも有用です。


FlexVisionの主な機能

検出欠陥対象異物、欠け、ピンホール、印刷抜け、汚れ、かすれ、ひげ、文字太り・細り、インク飛び、シミ、糸ひき、すじ、傷、打痕、ひび割れ、他
高精度寸法計測検査対象物の幅や高さ、印字位置や印字幅、円弧の半径と中心、線幅や線長、基準点から計測点までの距離など
NG対応NG品画像保存、NG品排出処理・マーキング処理・ランプ点灯などの信号出力
レポート出力検査条件、欠陥の種類と箇所(位置座標)、計測結果、欠陥率
カメラの種類RGBカラーラインカメラ(2K、4K、7.3K、8K)カラーエリアカメラ(1.3M、5M、8M、16M)モノクロラインカメラ(1K、2K、4K、8K、12K、16K)モノクロエリアカメラ(VGA、1.45M、5M、8M、16M) CIS(Contact Image Sensor)カメラ
(検査分解能:600dpi、300dpi、200dpi、150dpiから選択可能 ※搬送速度/採用CISカメラに応じて
撮像幅:309mm/330mm/476mm/617mm/926mm/1,200mmから選択可能)

汚れ・ゴミ

色むら

ピンホール

文字の擦れ

はみ出し・かす残り

パターン間隔自動計測

モノクロ文字擦れ

文字認識・品質検査

バーコード認識・照合


その他の機能

  • 参照画像置換機能により部分的な変更もスピーディーに対応
  • 装置やライン組み込みを意識したI/Oおよび検査画面
  • カラーラインカメラ(2K、4K、8K)、カラーエリアカメラ(1.3M、5M、8M)に対応
  • 64bit処理に対応し、大容量画像処理と高速化を実現
  • 複数コアCPUに対応し並列化により処理の高速化を実現
  • 単独検査により、液晶パネルやフィルムなど透明ワークも検査可能
  • 光沢度検査により、印刷濃度の監視や色あせ検出が可能
  • 印刷や成型部品の傾きに追従、回転度合いも計測可能
  • 面積条件では検出できない小さな欠陥の集まりを集合欠陥として検出

豊富な導入実績

成型品印刷、ラベル印刷、フィルム印刷、フィルム基板、タッチパネル、セラミック基板、ソーラーパネル、等々、様々な分野に導入実績があります。豊富な導入実績により、各種照明・レンズ・撮像技術と搬送機ノウハウも蓄積しています。どのような検査対象であっても、またどのような装置構成をご希望でも、お気軽にシリウスビジョンまでご相談下さい。

可変情報検査機能

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2010年にリリースしたナビタスチェッカーの新バージョン「FlexVision(フレックスビジョン)」は、一枚一枚変化するバーコード、各種2次元コード、連番などの可変情報印字品質検査を実現した最新のソフトウエアです。しかも、可変情報印字部と固定文字部の品質検査、および印字背景部の外観検査を同時に実行可能としました。

これまでの画像検査システムは、固定情報(デザイン、印字)を良品マスターとし、画像比較により差分を欠陥として検出してきました。しかし、この方法では一枚毎に変化するデジタル印刷物(シール、ラベル、カードなど)の可変部分を検査することはできません。FlexVisionに搭載した独自の可変印字検査は、文字やコードの読み取りからデータとのつきあわせ、さらには可変部分の品質検査までを可能としました。FlexVisionは、従来のナビタスチェッカーの固定印字検査技術を進化させ、次世代の可変印字検査機能を搭載した製品です。

また、マルチCPU並列処理技術により、異なる検査処理を高速同時実行するため高速搬送ラインへの組み込みにも適しています。FlexVisionを使えば、1台のカメラで、可変・固定印字品質検査と外観検査が可能であるため、コストダウンにも大きく貢献します。

バーコード・2次元コードの読み取り、可変印字部のOCR(文字認識)およびバーコード・2次元コードとの照合、欠け・かすれ・ピンホール・突起などの印字欠陥検出、連番確認等の検査を高速高精度で実現します。


OCR(文字認識)および印字品質検査

文字画像を認識し文字情報として取り出し、CSVその他の情報と照合します。照合は外部のCSVファイル(コンマ区切りテキストファイル)または連番のチェックが可能です。

さらに、読み取った文字情報から欠陥の無い文字画像を自動生成し比較検査を行います。これにより、可変印字でも品質検査を行うことが可能となりました。これらの検査はその他の欠陥検査と同時に行うことができ、1台のカメラで可変・固定印字の品質検査、外観検査を行うことでコストダウンにも大きく貢献します。マルチCPU並列処理技術で検査処理を高速に同時実行するため、高速搬送ラインへの組み込みにも適しています。

バーコード情報を読み取り、同時にOCR機能で認識した文字情報との照合を行います。

各種2次元コードの読み取りおよび照合、印字品質検査を同時に行います。


豊富な導入実績

バーコード情報NW-7(Codabar)JAN(EAN、UPC)CODE-128CODE-93CODE-39Interleaved 2of5(ITF)Industrial 2of5RSS(GS-1 Databar)、他
データコードQRコードマイクロQRコードDataMatrix(ECC 200、GS-1)PDF 417
印刷品質・外観検査内容文字欠け、突起、ピンホール、かすれ、異物、汚れ、印字位置ずれ、抜きずれ、傷、その他

ツール

ウィザード式簡易設定操作ツール NEO

NEO (ウィザード式簡易設定操作ツール)は、ウィザード形式で手順に従ってメニュー操作するだけの、現場目視検査員が簡単に設定できる、FlexVision標準操作パネルです。比較検査や可変検査、バーコード、2次元コードの検査を画面に沿って操作するだけで検査を行うことができます。

シールラベル(ロールラベル、枚葉ラベル)、カード、電子基板、ボトル、プラスチック成型品などの印刷検査や傷検査、可変印字バーコード検査に 利用可能です。

NEOで作成した検査モデルは各装置で共通です。マスター画像を入れ替えれば新規のデザインでもそのまま検査を開始できます。

比較検査に加え、可変印字やバーコード検査、寸法計測もNEOの手順に従って設定すれば簡単に検査できます。


NEOの主な仕様

  • 検査領域を囲み、検査レベルを5段階「厳しい、やや厳しい、標準、ややあまい、あまい」から選択するだけ、複数の検査領域を異なる検査レベルで設定可能
  • いったんモデル作成し保存しておけば、次回検査時はそれを呼び出して検査実行するのみ
  • 登録保存できるモデル数に制限なし(HD容量に依存)、数十万の品種も登録可能
  • 欠陥部のブリンク表示で検査結果確認は一目でわかる
  • 拡大表示と表示位置変更も自由自在で簡単
  • 位置ずれ、抜きずれ、見当ずれもずれ量を寸法計測し「設計値±公差」の範囲外ならNGと判定
  • 検査レベルに対応する検査条件や寸法計測の設計値と公差は、管理者が事前登録可能 ※検査条件=欠陥サイズ、欠陥濃淡、マージナル係数など検査レベルに応じて設定

検査結果表示ツール FlexVerify

FlexVerify(フレックスベリファイ)は、検査用ソフトウエア「FlexVision」専用の検査結果を表示し確認するためのソフトウエアツールです。検査時に検出した欠陥を、後工程で確認する際に役立ちます。保存した欠陥画像をわかりやすく表示できるため、オペレーターの確認作業がスムーズになります。FlexVerifyはFlexVisionで検査したものすべてに適用できます。検査対象や画像検査機に依存しません。

誰でも扱える簡単操作で、検査結果レポート出力やCSVデータ出力ができ、検査結果の社内管理や、お客様へ提出するレポート作成に活用できます。結果レポートはPDFファイルへ変換したり、プリンタ等で出力することができます。

オフライン検査、検版など様々な検査に対してFlexVerifyを使用することが可能です。表示形式はいくつかのパターンからカスタマイズ可能ですので、お好みに合わせた表示方法を取ることができます。

ネットワークで結果ファイルを共有すれば画像検査機から離れた結果表示専用PCで確認作業を行うことができます。検査スペースが狭い場合に結果確認作業を事務所スペース内で行ったり、検査オペレーター以外の担当者がレポート作成作業を行うことも可能です。


FlexVerifyの主な仕様

  • FlexVision専用の検査結果を表示し確認するためのソフトウエアツール
  • 検出した欠陥部分をわかりやすく拡大表示可能
  • 簡単操作でレポート出力やCSVデータ出力ができ、検査結果の社内管理やお客様への結果報告に活用可能
  • 検査判定の変更(NGからOK、OKからNG)が可能変更内容は出力結果にも反映されます
  • 再検査リスト表示機能で欠陥品を再確認し、流出を防止
  • FlexVerify専用PCを使えば、画像検査機から離れた所で確認作業可能
  • 表示方法を複数パターンから選択し好みに合わせカスタマイズ