進和ラベル印刷株式会社様
品質担保による機会損失防止は「月間数百万円」相当。10年来のパートナーシップであらゆる課題を解決。

進和ラベル印刷株式会社様
今回は、山形県に拠点を置き、「”We are byplayers 名脇役たれ”」という企業理念のもと、世界ラベルコンテストで日本企業初の4度目の「ベスト・オブ・ザ・ベスト」を受賞された、進和ラベル印刷株式会社様より、取締役 製造本部長の笹原様にお話を伺いました。
笹原様は印刷オペレーターとしてキャリアをスタートされ、現在は製造全体を統括されています。同社は包装資材の販売会社として創業し、お客様のニーズに応える形でラベル製造を開始したという経緯から、エンドユーザー様との強い繋がりを大きな強みの1つとしています。
進和ラベル印刷様は、10年以上前に弊社の初期のシート検査機「S-ConⅡ」を導入されて以来、ロール検査機「S-Lab HSY」2台、A3スキャナー検版機「S-Scan A3」3台と、工場の課題解決の歴史と共に弊社の製品ラインナップを導入・活用いただいています。
その長きにわたるパートナーシップの経緯と、それぞれの製品がもたらした具体的な成果について、詳しくお聞きします。
導入していただいている検査機・検版機
高速横軸ロール検査機
S-Lab HSY
スリッター搭載可能 横軸ロール検査機、最大100m/分で搬送し検査可能

フラットベッド型 検版システム
S-Scan A3
多品種少量生産のラベル、シート、カードの刷り出し検査に最適な検版システム

高速自動供給型枚葉検査機
S-Con Ⅲ
最大搬送速度60m/分の高速検査が可能

課題
目視の限界、そして他社機では検査できない「箔押し」。
「私がオペレーターとして入社した20数年前、品質要求は今ほど厳しくなく、検査はパラパラと目視でめくる『パラ検』程度でした」と笹原様は振り返ります。しかし、時代とともにお客様の要求レベルは上がり、欠陥のある製品の流出対策として20年近く前に他社製のロール検査機を導入。しかし、その機械は性能が限定的で、現場で積極的に使われることはありませんでした。
やがて、新たな課題が浮上します。 「最初の課題は化粧品ラベルでした。多品種小ロットで、文字が細かく情報量も多いシート状のラベルを、目視検査でさばききれず、納期遅延というボトルネックが発生していました。
さらにロール検査でも、別の他社機を導入したものの、箔押しラベルが検査できないという新たな技術的課題に直面。品質要求が高度化する中で、既存の検査体制では対応できない領域が増えていました。

決め手
課題ごとに最適な機種を選択。決め手は「マルチ照明」と「柔軟性」。
これらの課題を解決するきっかけとなったのが、シリウスビジョンの検査機でした。
「化粧品ラベルの納期遅延は、長年お付き合いのあった商社の方に相談し、シート検版機『S-ConⅡ』を導入したことで劇的に解消されました。」
次に課題となった箔押しラベルについても、再び商社の方に相談。そこで推薦されたのがロール検査機「S-Lab HSY」でした。
「決め手は、貴社のマルチ照明技術です。他社機では不可能だった箔押しの検査ができたこと、そしてラベル検査ソフトウエア『Asmil Vision』の設定を弊社の運用法に合わせてくださった柔軟性も決め手となり、導入を決定しました。」
その後大型受注が決まった際に3台目のロール機をどちらにするか、迷いはなかったと言います。
「S-Lab HSYでしか対応できない仕事でしたから、1台では到底間に合わない。迷うことなくS-Lab HSYの2台目を増設しました。現在、工場にはロール機が3台ありますが、箔押しや化粧品・食品の細かい文字の検査が多いため、貴社の2台がメインで稼働しています。」


効果
月間数百万円の機会損失防止と、コスト・作業時間削減を同時に実現。
検査体制を整備したことによる最大の効果は、「機会損失の防止」だと笹原様は強調します。
「検査がボトルネックで納期に間に合わなければ、次から注文は来なくなります。品質を担保し、納期を確実に守れる体制ができたことで、その損失を防ぐ効果は『月間数百万円』相当にもなると試算しています。この体制があったからこそ、次の大きな受注にも繋がったのです。」
「また、『S-Scan A3』の導入では、嬉しい誤算もありました。食品のアレルギー表示などの検版で活用する中、バーコード等の品質グレードを判定する高価な専用検証機が故障したのです。 」
「買い替えを検討していたまさにその時、S-Scan A3のオプションに『グレード検証機能』があることを知りました。まさに一石二鳥で、検版とグレード検証を1台でまかなえるようになり、コスト・作業時間の削減も同時に達成できました。」

現場の声
「本当に故障しない」信頼性と、運用に合わせたカスタマイズ。
複数台を長年運用する中で、現場の評価も固まっています。
「中途採用のスタッフが他の業務もある中、1ヶ月足らずで使いこなせるようになっており、操作性の高さを実感しています。そして何より、ここ数年、トラブルで電話した記憶がないほど信頼性が高い。これは管理する側として非常にありがたいです。」
さらに、シリウスビジョンの柔軟な対応力も評価されています。
「我々は『まずロール全体をノンストップで検査し、巻き戻しながら不良箇所だけを張り替える』という運用をしています。そのフローに合わせて『Asmil Vision』ソフトウェアをカスタマイズしてもらえたことで、現場は非常に使いやすいと評価しています。」

編集後記
この度の取材にご協力いただきました進和ラベル印刷の皆様、誠にありがとうございました。 取材当日、工場を見学させていただく際、笹原様がメッシュキャップをただ渡すのではなく、我々がかぶりやすいようにわざわざ開いて手渡してくださったこと。
また、事務所の方が私たちの靴に靴べらを差し入れ、履きやすく準備してくださっていたこと。そうした細やかな「おもてなしの心」に、深く感銘を受けました。
世界ラベルコンテストで4度も「ベスト・オブ・ザ・ベスト」を受賞される世界レベルの製品クオリティは、こうした社員皆様一人ひとりの温かな配慮と、お客様を想う真摯な姿勢に支えられているのだと実感いたしました。

進和ラベル印刷株式会社
食品パッケージのロゴシールや表示ラベルをはじめ、ボトルネッカーやスイングPOPなどを製造するシール・ラベル印刷会社
コーポレートサイト:https://shinwalabel.co.jp/


