埼玉県のグラビアコンバーターA社様
段取りロス半減、不良8割減。数値以上の価値は、熟練オペレーターを守る「精神的な安心感」でした。

埼玉県のグラビアコンバーターA社様(※ご希望により匿名としております。また、写真はイメージとなります。)
導入しているシリウスビジョン製品
大判検版システム S-Scan LNC(リンク)
今回は、「S-Scan LNC」を2台ご導入いただいている、充填用フィルムの製造をリードする埼玉県のグラビアコンバーターA社様にお話を伺いました。オペレーターとしてキャリアをスタートし、製造現場のあらゆる工程を熟知するB様。「S-Scan LNC」の導入を主導し、長年の課題であった「版不良による手戻り」と「見逃しのプレッシャー」を劇的に改善されました。
その導入の経緯と、数値だけでは測れない真の導入効果について、詳しくお聞きします。
課題
「見逃しは許されない」プレッシャーとの戦い。目視検査の限界と頻発する手戻りロス。
S-Scan LNC導入以前、弊社は二つの深刻な課題を抱えていました。
一つは、「限界に達していた目視検査と、それに伴う品質リスク」です。 当時の品質確認は、試し刷りサンプルをバックライト付きの検版台に貼り、人の目でチェックするという旧来の方法に頼っていました。 管理者は工場全体で1日に25点近くのサンプルを確認することもあり、疲労による見逃しは避けられない状況でした 。微細なインキ抜けが市場に流出してしまえば、お客様からの信頼を失うという、事業の根幹を揺るがしかねない事態に繋がります。この見えないプレッシャーは、現場にとって大きな精神的負担となっていました。

もう一つは、「版の不良に起因する、深刻な生産性のロス」です。 グラビア印刷の段取り作業には、1時間から1時間半を要します。 しかし、準備完了後に版の不具合が見つかるケースが少なからず発生していました。そうなると、費やした時間はすべて無駄になり、ゼロからやり直しです。オペレーターの徒労感は大きく、工場の稼働率を著しく低下させる大きな要因となっていました。
決め手
他社製品で一度は導入を断念。それでもS-Scan LNCを選んだ理由とは。
解決策を模索する中で、実は一度、他社製の同様のシステムを検討したことがあります。しかし、サンプルテストで我々が求める検出精度には至らず、導入を断念した経緯がありました。
その後、インライン検査機で長年お世話になっていたメーカー様からシリウスビジョン社をご紹介いただきました。信頼できるパートナーからの推薦があったこと、そして改めて実施した実機テストで、以前は検出できなかった欠点まで確実に捉える高い性能を我々自身の目で確認し、納得できたこと。特に後者が、導入の大きな決め手となりました。

効果
ロス半減・不良8割減。数値成果を支えた1年半の伴走サポート。
S-Scan LNC導入の効果は絶大でした。 社内の「ロスタイム集計」データにおいて、版不良による段取りのやり直し時間が半分以下にまで削減されました。
さらに品質管理部門の月次データでは、最終工程で発見されていた印刷不良の件数が、導入前の2割以下にまで激減。実に80%以上の削減という劇的な改善です。


そして、この目覚ましい成果は、導入してすぐに得られたわけではありません。その裏側には、シリウスビジョンとの1年半にわたる粘り強い取り組みがありました。 弊社の多種多様な製品に対応するため、検出できなかったサンプルをシリウスビジョンへ送付し、粘り強く検査設定をチューニングしてもらう。我々が現場で試し、フィードバックする。
この共同作業ともいえるキャッチボールを繰り返した結果、ほぼ完璧と言える検査設定を確立できたのです。導入して終わりではない、この充実したサポート体制もシリウスビジョンの大きな魅力だと感じています。
現場の声
LNCは熟練技術者を守る「防波堤」。会社にとって最も重要な“人財”への投資。
現場からは「とにかく目が楽になった」「心理的なプレッシャーがなくなった」という声が多数上がっています。 しかし、私が最も大きな成果だと感じているのは、「経験豊富なオペレーターを守る」という役割を果たしてくれている点です。
一人前の機長になるには5年以上の歳月を要します。そんな彼らが、たった一度の見逃しで会社に大きな損害を与えてしまった場合、その精神的ダメージは計り知れません。
S-Scan LNCはヒューマンエラーを未然に防ぎ、彼らが長年培ってきた技術と経験を安心して発揮できる環境を提供してくれています。 これは単なる機械ではなく、守るべき“人財”への投資でもあると考えています。

さらに詳しいインタビュー記事のダウンロードはこちら
S-Scan LNCの導入は、生産性や品質といった経営指標の改善はもちろん、現場で働く人々の心にも大きな変化をもたらしました。
今回ご紹介した内容に加え、ダウンロード資料(PDF)では、
- 生産性を一切落とさずに検査工程を導入できた「現場の運用フロー」の具体的な工夫
- 特性の異なる第二工場へ「2台目を導入」した背景と、独自の活用方法
- 導入を成功に導いたA社様からの「導入検討企業へのリアルなメッセージ」
など、Webサイト未掲載の情報を加えたインタビュー完全版をご覧いただけます。
貴社の課題解決のヒントとして、ぜひご活用ください。
